| 時期 | 変えたもの | |
|---|---|---|
| 第1次 | 18 世紀後半 | 蒸気機関 ── 動力を機械化した |
| 第2次 | 20 世紀初頭 | 電力と分業 ── 大量生産を可能にした |
| 第3次 | 20 世紀後半 | 計算機と自動制御 ── 工程を自動化した |
| 第4次 | 2010 年代〜 | つながること ── モノ同士が連携し、自律的に動く |
この 第 4 次産業革命 をドイツが国家政策として掲げたものが Industry 4.0 です。
ヨーロッパでは、ドイツをはじめとする先進工業国が、 長期的に高い競争力を保つことが経済成長にとって重要だと考えてきました。 ドイツ政府は早くから IoT(Internet of Things、モノのインターネット)の分野に積極的で、 多くの研究を統合して発足したのが、IoT を基盤とする Industry 4.0 プロジェクトです。
インターネットによって工場の内外のモノとモノが連携することで、 新しい価値やビジネスモデルの実現を目指します。
結果として、工場の生産性が上がり、在庫が減り、製造とサプライチェーンのコストが下がります。
Industry 4.0 のもとになったプロジェクトが CPS(Cyber Physical Systems)です。
CPS とは、実世界と IT を密接に連携させるシステムです。
実世界(Physical World)のセンサネットワークなどから得たさまざまな情報を、 サイバー世界(Cyber World、電脳空間・仮想世界)にある計算資源と連携させ、 効率的でスマートなシステムを実現しようとするものです。
| 向き | やっていること | 担うもの |
|---|---|---|
| 実世界 → サイバー世界 | センシング。温度・位置・稼働状況などを取り込む | センサ、IoT 機器 |
| サイバー世界の中 | 蓄積・分析・予測・最適化 | ソフトウェア |
| サイバー世界 → 実世界 | アクチュエータを動かす、指示を出す | 制御装置、ロボット |
生産現場では、設計・開発・生産などのあらゆるデータをセンシングして蓄積・分析することで、 自律的に動作するインテリジェントな生産システムを構築できます。 人の指示は必ずしも必要ではなくなります。
IoT と CPS の関係。 IoT は「モノがネットにつながること」そのものを指します。 CPS は、つながって集まった情報を計算資源と結びつけ、 実世界に働きかけて閉じたループを作るところまでを含みます。 IoT は CPS を成り立たせる土台だ、と考えるとよいでしょう。
ここまでの話に共通するのは、価値を生んでいるのがソフトウェアだという点です。
ところが、ソフトウェアは目に見えず、作るのが難しく、
失敗が高くつきます。
大規模なシステム開発の失敗は、いまも珍しくありません。
「どうすればソフトウェアをきちんと作れるのか」を体系立てて考える学問が
ソフトウェア工学であり、この授業が扱うのはまさにそこです。
次回から、システムとは何か、ソフトウェアとは何かという足元を確かめたうえで、 開発プロセス、要求分析、設計、テストへと順に進んでいきます。