前回と同じワイン農家の問題ですが、加藤家の条件が変わりました。 赤ワイン 1 樽を作るのに、葡萄 8 トンと 2 人が必要になったとします (前回は 9 トンと 1 人)。他の条件は同じです。
8x + 5y ≦ 50 (葡萄)
2x + 5y ≦ 10 (人手)
x ≧ 0, y ≧ 0
5x + 10y → 最大
やってみてほしいこと。 白の単価を 10 万円から少しずつ下げてみてください。 ある値を境に最適な頂点が別の角へ飛び移ります。 目的関数の直線の傾きが、制約線の傾きと一致した瞬間には、 辺の上のどの点も最適になります(解が 1 つに定まらない)。
| 場合 | 図でどう見えるか | 意味 |
|---|---|---|
| 解が 1 つ | 1 つの頂点で止まる | ふつうの場合 |
| 解が無数 | 目的関数の直線が制約線と平行で、辺全体で接する | どの配分でも同じ利益 |
| 解が無い(実行不可能) | 実行可能領域が空 | 制約が矛盾している |
| 解が無限大 | 領域が開いていて、いくらでも上へ動かせる | 制約の書き忘れを疑う |
4 つの道具を扱いました。見た目はばらばらですが、共通する骨組みがあります。
| 回 | 道具 | 問い | 答えを出す鍵 |
|---|---|---|---|
| 2–3 | 新聞売り子問題 | 何個仕入れるか | 期待値、臨界比 |
| 4–5 | PERT | いつ終わるか、どこを急ぐか | 前進・後退計算、クリティカルパス |
| 6–10 | ゲーム理論 | 相手がいるとき何を選ぶか | 支配戦略、マキシミン、混合戦略 |
| 11–12 | 線形計画法 | 資源をどう配分するか | 実行可能領域、頂点 |
この授業でくり返し見たのは、
「どちらの損が大きいかを比べる」という発想でした。
新聞売り子では売れ残りの損と品切れの損。
PERT では急ぐコストと遅れるコスト。
ゲーム理論では最悪の場合の損。
線形計画法では、限られた資源をどちらに割り当てるかによる機会の損。
意思決定とは、何かを得ることではなく、どの損を引き受けるかを選ぶことだとも言えます。