情報学基礎 / 第 6 回

情報通信ネットワーク(1)

インターネットの設計思想と、階層化・プロトコル

この回のねらい

はじめに

1950 年代中頃まで、コンピュータが他のコンピュータとつながることは想定されていませんでした。 実験結果は、記録媒体に入れて持ち帰るものだったのです。 一般に「インターネット」が広まるのは1990 年代以降のことです。

インターネットの設計思想

できごと
1967ARPA(高等研究計画局)で ARPANET 開始。世界初のパケット通信ネットワークの研究プロジェクト
1969UCLA・UCSB・ユタ大・SRI の4 拠点を接続
1970年代初頭〜他の独立したネットワークを ARPANET で相互運用する試み。Inter-Networking ⇒ Internet

パケット交換(packet switching)とは、データを送信側でパケットという単位に小分けして転送し、 受信側で復元する方式です。伝送路を複数用意しておけば、 どこかで障害が起こっても迂回できます

ARPANET には、多種多様な機材やネットワークをつなぎ、冗長性を持たせ、 信頼性を高めた自立分散型ネットワークという設計思想があります。 プロトコル TCP/IP は、エンドツーエンド(賢さは末端に置く)と ベストエフォート(できるだけ届ける。保証はしない)という考え方から生まれました。

回線を切ってみる線をクリック

A から H へパケットを送ります。線をクリックすると、その回線が切れます。 経路が自動で選び直されるのを確かめてください。

階層化とプロトコル

インターネットは階層化されています。 つまり、通信機能を役割ごとに分類した複数の層で構成されています。 各階層ごとにプロトコル(通信規約)を使い、その仕様は国際標準化されています。

だからこそ、その仕様に沿って通信プログラムを設計・実装すれば、 スマートフォンでもスーパーコンピュータでも通信できるのです。

OSI 基本参照モデル

OSI(Open Systems Interconnection reference model)は、通信機能を 7 層に分けたモデルです。 層をクリックすると、その役割とヘッダ・フッタの中身が出ます。

OSI 7 層クリック
層をクリックしてください。上ほどアプリケーションに近く、下ほど物理的な世界に近くなります。

階層ごとのプロトコル

プロトコルの例
アプリケーション層HTTP、SMTP、DNS
トランスポート層TCP、UDP
インターネット層(ネットワーク層)IP

インターネットで扱われるプロトコルは、非常にシンプルです。 ネットワークにつながっているノードは世界中に分散していて、 どこかに不具合が生じても、その機器を避けて通信できるようになっています。

カプセル化 ── パケットはどう包まれるか

送信側では、メッセージが層を下りるたびに、その層のヘッダフッタが付け加えられます。 受信側では、層を上るたびにそれらが取り除かれます。 いちばん下(物理層)を流れているものがパケットです。

カプセル化を 1 歩ずつ動かせます

クライアント・サーバモデル

電子メールや WWW など、インターネット上の多くのサービスは クライアント・サーバモデルになっています。 サービスを提供する側(サーバ)要求する側(クライアント)に役割が分かれる形です。

要求と応答押してみる
ボタンを押すと、要求と応答が往復します。
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