PERT(Program Evaluation and Review Technique)は、 米国海軍のポラリスミサイル開発計画の中で 1950 年代末に生まれました。 3000 人以上が関わる巨大プロジェクトの日程を調整するために、 OR(オペレーションズ・リサーチ)チームが作った手法です。
| 工程 | 先行工程 | 日数 |
|---|---|---|
| A | — | 5 日 |
| B | — | 3 日 |
| C | A・B | 2 日 |
A と B は同時に始められます。C は両方が終わってからでないと始められません。
丸(結合点)が「時点」、矢印(アロー)が「作業」です。 矢印の根元の結合点に入る作業がすべて終わってはじめて、そこから出る作業を始められます。
ダミー作業が要る理由。 A と B の終わりを 1 つの結合点にまとめてしまうと、 「A も B も C の先行である」ことは表せます。しかし A と B の終点を別々の結合点にしたいときは、 所要 0 日の点線の矢印を引いて「前後関係だけ」を表します。これがダミー作業です。 ダミーは時間を消費しません。順序の制約だけを表す道具です。
| 手順 | やること |
|---|---|
| 前進計算 (最早結合点時刻) |
出発点を 0 とし、左から右へ。 その結合点に入ってくる作業について「元の最早 + 所要日数」を計算し、いちばん大きい値を採る。 → 遅いほうを待たなければ始められないから。 |
| 後退計算 (最遅結合点時刻) |
終点を「全体の最早終了時刻」とし、右から左へ。 その結合点から出る作業について「先の最遅 − 所要日数」を計算し、いちばん小さい値を採る。 → いちばん厳しい締切に合わせなければならないから。 |
最早と最遅が一致している結合点は、1 日も遅らせられません。 そこを通る道がクリティカルパスです。上の図ではオレンジで示しています。 日数を変えて、クリティカルパスが別の道へ移る様子を見てください。
作業ごとの余裕は次の式で求まります。
余裕 = (終点の最遅) − (始点の最早) − (所要日数)
余裕が 0 の作業がクリティカルパス上の作業です。 最初の例では A と C の余裕が 0、B の余裕は 2 日。 B は 2 日遅れても全体の完了は遅れません。