システム管理論 II / 第 4 回

プロジェクト管理(1)

PERT とアローダイアグラム ── いつ終わるかを図で出す

この回のねらい

プロジェクト管理でやること

  1. 各工程の作業(タスク)を明確にする
  2. 各工程の所要時間を見積もる
  3. 工程どうしの前後関係を明確にする
  4. つなぎ合わせてネットワーク図を作る
  5. 全体の所要時間を算出し、完了時期を明らかにする
  6. クリティカルパスを対象に、短縮を検討する

PERT(Program Evaluation and Review Technique)は、 米国海軍のポラリスミサイル開発計画の中で 1950 年代末に生まれました。 3000 人以上が関わる巨大プロジェクトの日程を調整するために、 OR(オペレーションズ・リサーチ)チームが作った手法です。

いちばん小さな例

全工程が終わるのに最短で何日か
工程先行工程日数
A5 日
B3 日
CA・B2 日

A と B は同時に始められます。C は両方が終わってからでないと始められません。

アローダイアグラムの描き方

丸(結合点)が「時点」、矢印(アロー)が「作業」です。 矢印の根元の結合点に入る作業がすべて終わってはじめて、そこから出る作業を始められます。

ダミー作業が要る理由。 A と B の終わりを 1 つの結合点にまとめてしまうと、 「A も B も C の先行である」ことは表せます。しかし A と B の終点を別々の結合点にしたいときは、 所要 0 日の点線の矢印を引いて「前後関係だけ」を表します。これがダミー作業です。 ダミーは時間を消費しません。順序の制約だけを表す道具です。

動かして確かめる(前進計算と後退計算)

日数を変えると、最早・最遅・クリティカルパスがどう動くか数値を変える

計算のしかた

手順やること
前進計算
(最早結合点時刻)
出発点を 0 とし、左から右へ。
その結合点に入ってくる作業について「元の最早 + 所要日数」を計算し、いちばん大きい値を採る。
→ 遅いほうを待たなければ始められないから。
後退計算
(最遅結合点時刻)
終点を「全体の最早終了時刻」とし、右から左へ。
その結合点から出る作業について「先の最遅 − 所要日数」を計算し、いちばん小さい値を採る。
→ いちばん厳しい締切に合わせなければならないから。

最早と最遅が一致している結合点は、1 日も遅らせられません。 そこを通る道がクリティカルパスです。上の図ではオレンジで示しています。 日数を変えて、クリティカルパスが別の道へ移る様子を見てください。

余裕(フロート)

作業ごとの余裕は次の式で求まります。

余裕 = (終点の最遅) − (始点の最早) − (所要日数)

余裕が 0 の作業がクリティカルパス上の作業です。 最初の例では A と C の余裕が 0、B の余裕は 2 日。 B は 2 日遅れても全体の完了は遅れません。

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