システム管理論 II / 第 5 回

プロジェクト管理(2)

クリティカルパス ── どこを急げば全体が早く終わるか

この回のねらい

もう少し大きな例

クリティカルパスでの総所要日数は何日か
工程先行工程日数
A5 日
B4 日
C3 日
DB・C2 日
EA5 日
FD2 日
GD5 日

ア.7  イ.8  ウ.10  エ.11 ── どれでしょうか。

道をすべて数え上げてみる

日数
A → E5 + 5 = 10
B → D → F4 + 2 + 2 = 8
B → D → G4 + 2 + 5 = 11
C → D → F3 + 2 + 2 = 7
C → D → G3 + 2 + 5 = 10

いちばん長い道が B → D → G の 11 日。答えはです。 全体の完了は「いちばん遅い道」で決まります。ここがクリティカルパスです。

道を全部数え上げる方法は、工程が増えるとすぐ破綻します(道の数が爆発する)。 だから前回の前進計算・後退計算を使います。 工程の数に比例する手間で済み、しかも余裕まで一度に求まります。

動かして確かめる

日数を変えて、クリティカルパスが移る様子を見る数値を変える

どこを短縮すべきか

クリティカルパス上にない工程をいくら短縮しても、全体は 1 日も早くなりません。 たとえば上の例で工程 F(余裕 3 日)を 2 日から 1 日に縮めても、完了は 11 日のままです。 急ぐべきは B・D・G のどれかです。

ただし注意が必要です。クリティカルパスを短縮していくと、 あるところで別の道が最長になり、クリティカルパスが移動します。 上のモデルで G を 5 日から 1 日ずつ減らしてみてください。 G が 2 日になったところで A → E(10 日)が最長になり、 それ以上 G を縮めても全体は縮まなくなります。

実務でのつかい方

状況すべきこと
納期に間に合わないクリティカルパス上の工程に人員を追加する(クラッシング)
人手が足りない余裕のある工程から人を抜いて、クリティカルパスへ回す
ある工程が遅れた余裕の範囲内なら全体に影響しない。余裕を超えたら再計算する
← 第4回 第6回 ゲーム理論(1) →