システム管理論 II / 第 8 回

ゲーム理論(3)

ミニマックス戦略と鞍点 ── 最悪の場合をいちばん良くする

この回のねらい

絶対優位が無いときどうするか

前回の例では、A1 が A3 を支配することは分かりましたが、 A1 と A2 のどちらが良いかは決まりませんでした。 相手が B2 を出せば A2(利得 1)のほうが良く、B1 や B3 なら A1 のほうが良いからです。

相手が何を出すか分からない。しかも相手はこちらを妨害しようとしてくる。 このとき慎重な決め方が 1 つあります。

マキシミン戦略(ミニマックス戦略とも呼ばれる)
各行について最悪の場合(行の最小値)を求め、 その中でいちばん大きい行を選ぶ。

「どんなに悪くても、これだけは保証される」という水準を最大にする考え方です。 この保証水準をゲームの値の下限といいます。

計算してみる

行の最小値は A1 が 0、A2 が 1、A3 が −2。 いちばん大きいのは A2 の 1 です。 よって A のマキシミン戦略は A2、保証水準は 1

注意。A1 には最大値 5 という魅力的なマスがありますが、 同じ行に 0 もあります。B が B2 を出せば 0 しか取れません。 相手はこちらの都合よく動いてくれないという前提に立つのがこの戦略です。

B の側から見る ── ミニマックス

B にとっては、表の数字は支払う額です。だから B は小さくしたい。 B は各列について最悪の場合(列の最大値)を求め、 その中でいちばん小さい列を選びます。これがミニマックスです。

鞍点

A のマキシミンと B のミニマックスが一致したとき、 そのマス目を鞍点(saddle point)と呼びます。

鞍点があるとき、両者ともその手から動く理由がありません。 A が動けば保証水準が下がり、B が動けば支払いが増えるからです。安定した解になります。

鞍点は「馬の鞍」に由来します。鞍の中心は、 前後方向には谷(最小)、左右方向には尾根(最大)になっている点です。 利得表でも、その行では最小、その列では最大というマスが鞍点になります。

動かして確かめる

利得を書き換えて、鞍点ができたり消えたりする様子を見る数値を変える

鞍点が無いときは? どちらか一方が手を変えたくなる状態がずっと続き、純粋戦略では安定しません。 そのときは「サイコロを振って手を決める」ことで安定させます。 これが次回の混合戦略です。

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